ある大学病院の消化器内科。佐藤医師(35歳)は、今日も21時を回った病院で退院サマリーと格闘しています。
担当患者の田中さん(68歳)は、急性膵炎で入院してから3ヶ月。その間、ERCP(内視鏡的膵管造影)を2回、抗生剤は3回変更、一時は敗血症で救命救急病棟に転棟し、リハビリを経てようやく明日退院です。
佐藤医師の前には、3ヶ月分・約2,000行の診療記録が広がっています。
「あの日の熱発の原因は何だったか…」
「抗生剤をセフトリアキソンからメロペネムに変えたのはいつだったか…」
電子カルテを行ったり来たりしながら、1,000文字程度のサマリーに凝縮する作業。この1件だけで2時間かかることも珍しくありません。